IT導入補助金とは「中小企業や小規模事業者が自社の課題解決や生産性向上などを目的にITツールを導入する際、その経費の一部を補助を受けれれる」というものですが、過去に申請をされた方においては、審査が厳しいという印象を持っている方もいるのではないでしょうか。
IT導入補助金の採択率は概ね50%と言われています。つまり、2人に1人が不採択となっている状況であり、このことが「審査が厳しい」という印象につながっている可能性もあります。
そこでこの記事では、IT導入補助金の採択を目指す上で重要となるIT導入補助金の審査基準と審査員についてポイントを絞り紹介します。
IT導入補助金の審査員とは
IT導入補助金の採択を目指す上では、誰が審査するのかと言う点を知っておくことは大切です。例えば、審査員が建築士なら建築学的な知見により審査し、医師なら医学的な知見により審査する場合が多いといった具合です。
IT導入補助金の審査員については、公募要領には下記の通り記載されています。
審査は、学識有識者を含む関係分野の専門家で構成された外部審査委員会において行う。
IT導入補助金公募要領
これだけだと補助金に親しみのない方はイメージが湧きづらい部分もあると思いますが、ここでいう専門家とは、主に中小企業診断士で構成されていると言われています。
中小企業診断士とは
中小企業診断協会のウェブサイトによると、中小企業診断士とは、中小企業の経営などに関する知見を持ち、中小企業の現状分析を踏まえた企業の成長戦略のアドバイス等について一定のレベル以上の能力を有していることを経済産業大臣に登録された人のことです。
つまり、IT導入補助金の審査員は「中小企業の経営や成長戦略についてのプロ」と言うことになりますので、そうした知見で審査されることを念頭に、申請を行うことも大切です。
また、全国の中小企業診断士は約97%が男性で、約85%が40代以上(そのうち約30%が60才以上)となっています。そのため、若者向けのサービスや女性向けのサービス、新しいIT技術サービスを導入する場合には、より丁寧に説明するようにしましょう。
IT導入補助金の審査基準とは
IT導入補助金の審査内容は大きくは次の3つとなります。
- 申請書類の不備の審査
- 公募要領を満たしているかの審査
- 実現可能性についての審査
それではそれぞれ紹介していきます。
申請書類の不備の審査
実は最も多い不採択の理由は、申請情報の入力ミスや書類の不備と言われています。もし、申請内容が採択に足り得る内容であったとしても、申請書類に不備があった場合はそもそも審査対象になりません。申請情報の入力ミスや書類の不備は防げるミスだけに非常にもったいないです。
申請情報の入力ミスや書類の不備の具体的な内容は下記の記事にて紹介します。
公募要領を満たしているかの審査
IT導入補助金は申請枠や補助対象となる内容も複雑になっており、公募要領を満たしていない申請になっていることが多いと言われています。申請内容が公募要領を満たしているかどうかの審査も行われます。申請内容に問題がなかったとしても、公募要領を満たしていない場合は不採択となってしまいます。
といっても0からチェックを行うのは大変です。ご自身で申請を行う場合には、公募要領と照らし合わせながら、「申請者としての資格を有しているか」「補助対象業務に申請しているか」「導入するITツールは補助対象外となっていないか」を確認するようにしましょう。
実現可能性についての審査
3つ目の審査項目は「申請内容は実現可能性があるかどうか」と言うことです。IT導入補助金の審査が厳しいと考えられてしまう大きな要因はこの審査となります。
実は、この審査においては「中小企業診断士である審査員が専門家としての知見で審査する」と言うことになります。そのため、中小企業診断士特有のロジックや物事の考え方を理解した上で、実現可能性を説明することが大切になります。
具体的には、申請内容の数値目標や事業内容が、申請する企業の経営状況や社会のニーズに対して適切かどうかという視点で評価されることとなり、明らかに無理な目標数値となっていたり、社会ニーズの理解が十分でなかったりする場合には、実現性がないと判断されてしまう可能性があります。
IT導入補助金が不採択となる理由とは
IT導入補助金の採択を目指す上では、IT導入補助金が不採択となる理由やIT導入補助金の審査項目についての理解を深めることも有効です。
この記事でも簡単に紹介していますが、これらの内容は下記の記事でより詳しく紹介しております。こうした内容にも配慮しながら申請書を作成することでIT導入補助金の採択を目指していただければ幸いです。
IT導入補助金の活用は専門家に相談を
この記事では、IT導入補助金の審査が厳しいと言われていることについて、審査員と審査基準にポイントを絞って紹介してきました。採択を目指す方はぜひ参考にしてください。
結論としては、IT導入補助金は中小企業診断士の資格を有するプロが審査を行うため、中小企業診断士特有のロジックや考え方をしっかりと理解することが大切な人ということになります。
そのため、採択率を上げていくためには、中小企業診断士に相談することも一手です。公的機関が開催する無料セミナー等を活用していくことも有効です。
また、補助金申請プロサポートでは、補助金申請にお悩みの方向けに、無料相談を実施中です。
補助金申請のプロとして、豊富な採択実績のある中小企業診断士が補助金のお悩みにお答えしますので、補助金のお困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。
早稲田大学卒業後、大手総合商社に勤務し、
企業成長と多様な働き方の両立を支援する株式会社WellFlagsを設立
ものづくり補助金やIT補助金等の補助金申請代行の専門家として、各種補助金のコンサルタント、申請代行を実施
高い採択率を誇る補助金申請プロサポートの代表コンサルタントとしても活動中