ものづくり補助金の「採択の5つのポイント」とは

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ものづくり補助事業の公式ウェブサイトによると、最近のものづくり補助金の採択率は約50%となっています。採択されるのは半分程度、という状況になりますね。

ただし、この数値は申請に対しての数値のため、検討したが申請に至らなかった事業を含めると、実際にはもっと低い採択率である事が予想できます。

一方、当ウェブサイトでも活動中の補助金コンサルタントにおけるものづくり補助金の採択率は、平均的な採択率である50%を大きく上回る数値となっています。

そこで、この記事では、高い採択率を達成してきた経験を元に「ものづくり補助金の採択の5つのポイント」を紹介します。

もづくり補助金の採択の5つのポイントとは

結論からお伝えすると、下記の5つです。

  1. 申請対象者の要件を満たしていること
  2. 申請要件を満たしていること
  3. 審査項目を理解していること
  4. 必要書類が揃っていること
  5. 事業計画書が理解しやすいこと

それでは詳しく解説していきます。

申請対象者であること

ものづくり補助金の申請方法

ものづくり補助金の申請対象者は、日本国内に本社及び実施場所を有する中小企業者および特定非営利活動法人です。一定の規模を超える企業などは補助対象とはなりません。

さらに、申請者の業種に応じ、資本金又は従業員数の数値要件が定められてます。

業種別の数値要件についても別の記事で紹介していますので、まずはこちらを確認し、申請対象者である条件を満たしていることを確認しましょう。

ものづくり補助金の申請対象者とは

申請要件を満たしていること

ものづくり補助金の申請要件

ものづくり補助金の申請要件は、大きくまとめると「申請内容が補助対象であること」「事業計画が必要な要件を満たしていること」の2点です。それぞれの要件を紹介していきます。

申請内容が補助対象であること

ものづくり補助金は「下記の9つの活動にいずれかに該当する事業に対し、補助を受けられる制度」です。補助を申請したい事業が下記の9つの活動に該当するかどうか確認するようにしましょう。

  1. 機械装置・システム構築費
    ・専ら補助事業のために使用される機械・装置、工具・器具(測定工具・検査工具、電子計算機、デジタル複合機等)の購入、製作、借用に要する経費
    ・専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用に要する経費 
    ・上記活動とともに行う、改良・修繕又は据付けに要する経費
  2. 技術導入費 本事業遂行のために必要な知的財産権等
    (特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権など)の導入に要する経費
    ※上限額:補助対象経費総額(税抜)の3分の1
  3. 専門家経費 本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費 
    ※上限額:補助対象経費総額(税抜)の2分の1
  4. 運搬費 運搬料、宅配・郵送料等に要する経費
  5. クラウドサービス利用費 サーバーの領域を借りる費用(サーバーの物理的なディスク内のエリアを借入、リースを行う費用)、サーバー上のサービスを利用する費用等
    ※サーバー購入費・サーバー自体のレンタル費等は対象外
  6. 原材料費 試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費
  7. 外注費 新製品・サービスの開発に必要な加工や設計(デザイン)・検査等の 一部を外注(請負、委託等)する場合の経費
    ※上限額:補助対象経費総額(税抜)の2分の1
  8. 知的財産権等関連経費 新製品・サービスの開発成果の事業化にあたり必要となる特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料など知的財産権等取得に関連する経費
    ※上限額:補助対象経費総額(税抜)の3分の1
  9. 広告宣伝・販売促進費
    ・本事業で開発する製品・サービスにかかる広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展(海外展示会を含む)、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用等にかかる経費
    ※新特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)のみ
    ※上限額:補助対象経費総額(税抜)の3分の1

ものづくり補助金で補助可能な費用は上記の9種類のため、ものづくり補助金の申請はする際には、この中の活動であると解釈出来うる申請とする必要があります。

なお、どういう活動が補助されるのかという事については、具体的な採択事例を確認いただくことも有効ですこちらの記事で具体的な採択事例を紹介していますので、ぜひ、採択を目指す方はぜひご参考ください。

ものづくり補助金の「業種別の採択事例」とは|業種別に紹介

事業計画が必要な要件を満たしていること

ものづくり補助金は、「補助を受ける事業を実施することで下記に掲げる要件を実現できると考えられる事業に対し補助を受ける事が可能」です。補助を申請したい事業を実施する事で、下記に掲げる要件を実現できるかどうか確認するようにしましょう。(要件は一般型と新特別枠で異なります)

申請要件(一般型)の場合
  • 補助を受けることにより、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させる
  • 補助を受ける事により、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする 
  • 補助を受ける事により、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加させる
  • 上記の内容を従業員に公表していること
申請要件(新特別枠(低感染リスク型ビジネス枠))の場合

補助対象経費全額が下記の3つのいずれかである事

  • 物理的な対人接触を減じることに資する革新的な製品・サービスの開発であること
  • 物理的な対人接触を減じる製品・システムを導入した生産プロセス・サービス提供方法の改善
  • ウィズコロナ、ポストコロナに対応したビジネスモデルへの抜本的な転換に係る設備、システム投資

審査項目を理解していること

ものづくり補助金の審査項目

ものづくり補助金の公募要領において、ものづくり補助金の審査項目は「技術面」「事業化面「政策面」「加点項目」「減点項目」の5つの項目で審査されていることが分かります。

事業計画書をはじめとする申請書類を作成する際には、この5つの点をしっかりアピールするようにしましょう。

技術面とは

ものづくり補助金の公募要領において、以下の記載が確認できます。

  • 新製品、新サービス、また既存技術の転用や隠れた価値の発掘の革新的な開発となっているか。中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン又は中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針に沿った取組みであるか。 グローバル展開型では、地域内での革新性だけではなく、国際競争力を有しているか。
  • 試作品、サービスモデル等の開発における課題が明確になっているとともに、補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定しているか。
  • 課題の解決方法が明確かつ妥当であり、優位性が見込まれるか 
  • 補助事業実施のための技術的能力が備わっているか

経験的には、この辺りから申請を断念される事業者様も少なからずといったところでしょうか。公文書特有の複雑で抽象的な表現で書かれており、親しみのない方にとっては読むだけで一苦労という場合もあるかもしれません。

あまり複雑に捉えず「これから申請する事業計画書の内容が生産性の向上・革新的サービスであるか」という視点で検討する事がおすすめです。検討にあたっては、ぜひ、別の記事もご参照いただけると幸いです。

事業計画書における「生産性の向上と革新的サービス」とは

事業化面とは

ものづくり補助金の公募要領において、以下の記載が確認できます。

  • 補助事業実施のための社内外の人材や事務処理能力、専門的知見等の体制や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。金融機関等からの十分な資金の調達が見込まれるか。 グローバル展開型では、海外展開に必要な実施体制や計画が明記されているか。 
  • 事業化に向けて、市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。クラウドファンディング等を活用し、市場ニーズの有無を検証できているか。 グローバル展開型では、事前の十分な市場調査分析を行っているか。 
  • 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。 
  • 補助事業として補助金の投入額に対して想定される売上や収益の規模、その実現性等の費用対効果が高いか。

この内容も公文書特有の表現になっていますね。

取り掛かりとしては、まずは「これから申請する事業計画書の内容に実現性があるか」という視点で検討する事がおすすめです。その際には、ぜひ、下記の記事もご参照いただけると幸いです。

事業計画書における「実現性」の検討方法とは

政策面とは

ものづくり補助金の公募要領において、以下の記載が確認できます。

  • 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等や雇用に対する経済的波 及効果を及ぼすことにより地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか。 グローバル展開型では、事業の成果・波及効果が国内に環流することが見込まれるか。
  • ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格 な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
  • 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合等、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。また、異なる強みを持つ複数の企業等が共同体を構成して製品開発を行う等、経済的波及効果が期待できるか。
  • 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、環境に配慮した事業の実施、経済社会にとって特に重要な技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、我が国のイノベーションを牽引し得るか。
  • 低感染リスク型ビジネス枠では、感染拡大を抑えながら経済の持ち直しを図り、ウィズコロナ、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環を実現させるために有効な投資内容となっているか。 
  • 事業化に向けて、市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。クラウドファンディング等を活用し、市場ニーズの有無を検証できているか。 グローバル展開型では、事前の十分な市場調査分析を行っているか。 
  • 補助事業の成果が価格的、性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。 
  • 補助事業として補助金の投入額に対して想定される売上や収益の規模、その実現性等の費用対効果が高いか。

なかなか難解な文章ですが、考え方としては、「補助を受けた事業を実施することで、社会がどう良くなっていくのか」という視点で検討する必要があります。

補助金の財源は税金のため、社会全体に良い影響がある申請の方が採択されやすいという側面もありますので、こちらについては過去の採択事例を参考にする事がおすすめです。

ものづくり補助金の「業種別の採択事例」とは|業種別に紹介

加点項目とは

この加点項目が、ものづくり補助金が採択される上で大きな特徴の1つになります。加点項目の具体的な内容は、ものづくり補助金の公募要領において、以下の6点が確認できます。

  1. 「事業継続力強化計画」の認定取得
  2. 「経営革新計画」の承認取得
  3. 創業、第二創業後間もない事業者(5年以内)
  4. 「パートナーシップ構築宣言」を行っている事業者
  5. 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均2%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+60円以上の水準にする計画を有し、従業員に表明している事業者、又は、事業計画期間において、給与支給総額を年率平均3%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+90円以上の水準にする計画を有し、従業員に表明している事業者
  6. 被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合

申請する場合には、上記6項目を満たせる計画はないかを確認し、加点を受けられている見込みがあれば申請の中ですしっかりアピールするようにしましょう。

また、加点項目ごとに必要となる資料も異なるため、その都度確認するようにしましょう。

減点項目とは

ものづくり補助金の審査項目の減点項目とは、過去3年間に、類似の補助金の交付決定を受けていた場合、交付決定の回数に応じて減点がされるものです。 

類似の補助金とは、平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業、平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業、令和元年度補正・令和二年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業により受け取った補助金のことをいいます。

同じような補助金を使っている場合には、減点されるという趣旨になりますね。

必要書類が揃っていること

ものづくり補助金の必要書類

ものづくり補助金の申請には、下記の資料です。

  • 事業の具体的な内容等
  • 賃金引上げの誓約書
  • 決算書(直近2年間の貸借対照表、損益計算書(特定非営利活動法人は活動計算書)、製造原価報告書、販売管理費明細、個別注記表)
  • 従業員数の確認資料(法人の場合:法人事業概況説明書の写し、個人事業主の場合:所得税青色申告決算書または所得税白色申告収支内訳書の写し)
  • 労働者名簿(応募申請時の従業員数が21名以上で、上記「従業員数の確認資料」における期末の従業員数が20名以下の場合のみ)
  • 再生事業者に係る確認書(再生事業者のみ)
  • 課税所得の状況を示す確定申告書類(回復型賃上げ・雇用拡大枠のみ)
  • 炭素生産性向上計画及び温室効果ガス排出削減の取組状況(グリーン枠のみ)
  • 海外事業の準備状況を示す書類(グローバル展開型のみ)
  • 審査における加点を希望する場合に必要な追加書類

申請書の不足や様式の相違があると、事業計画の内容に不備がなくとも不採択となってしまうことが想定されます。以下の記事で必要書類の入手方法や書き方を紹介しているので、ぜひ、ご参照ください。

> ものづくり補助金の申請に「必要な書類」の「入手方法」

事業計画書の書き方が理解しやすいこと

最後のポイントは、「事業計画書の書き方が審査員に理解しやすい内容となっているか」ということです。具体的には、次の3つのことを意識するようにしましょう。

  1. 「図表」を使用する事で、読みやすくする
  2. 「解説」を追記する事で、誰でも理解できるようにする
  3. 「数値」を使用する事で、客観性を持たせる

実は、ものづくり補助金申請の1件あたりの審査時間は、20分から30分程度と言われています。事業計画書はA4サイズが10枚程度あるため、1枚あたりの読み時間は2分から3分程度しかありません。審査員は読むだけで一苦労という状態になります。

そのため、審査員の負担を減らすことは非常に重要で、理解しやすい書き方を意識する事は大切です。ぜひ下記の記事をご参照いただければ幸いです。

> ものづくり補助金の採択率を向上させる「事業計画書の書き方」とは

不採択となる理由も確認しておく

ここまで、ものづくり補助金が採択される5つのポイントを解説してきました。ものづくり補助金の採択を目指す方は、ぜひ、ご参考にしてください。

また、ものづくり補助金の採択を目指す上では、不採択となる理由についても知っておく事も有効です。

以下の記事において、ものづくり補助金が不採択となってしまう理由を3つポイントとして解説していますので、ものづくり補助金の採択を目指す方は、ぜひ、ご参照いただければ幸いです。

ものづくり補助金が不採択となる理由とは

ものづくり補助金でお悩みの場合は、無料相談を!

補助金申請のプロ中小企業診断士

この記事ではものづくり補助金が採択されるための5つのポイントを解説してきました。こちらの記事をご参照いただき、申請にお役立ていただけると幸いです。

一方、申請を行う中で、「補助要件がよく分からない」「書類を作成する時間がない」「補助要件を満たせているか判断できない」等のお悩みを抱えてしまう事業者様も少なくありません。

そういうときは、なるべく早めに、補助金コンサルなどに相談することをお勧めします。

特に、補助金申請プロサポートでは、補助金申請にお悩みの方向けに、無料相談を実施中です。

補助金申請のプロとして、豊富な採択実績のある補助金申請のプロが補助金のお悩みにお答えしますので、補助金のお困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。

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