建設業が「経営力向上計画」を使って享受できるメリットをご紹介!|モデルケースで見る活用の流れと実務ポイント

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はじめに

建設業で設備投資を行う際、「経営力向上計画」を活用することで、税制優遇や融資の金利優遇といった恩恵を受けることができます。重機・ICT機器・業務システムなど、設備投資を予定しているタイミングがあれば、ぜひ検討したい制度です。

この制度の主なメリットは3つです。ひとつは税制面の優遇で、設備取得額の全額を当期の損金に計上する「即時償却」か、取得額の最大10%を法人税から直接差し引く「税額控除」のいずれかを選択できます。もうひとつは金融面の優遇で、日本政策金融公庫の低利融資や信用保証枠の拡大を受けやすくなります。さらに、法的メリットとして、事業承継時の許認可承継の特例などを受けることができます。

加えて一部の補助金(小規模事業者持続化補助金など)の審査加点項目にもなります。

本制度は補助金と組み合わせることで効果が一層大きくなります。たとえば省力化補助金やものづくり補助金で設備投資費用の一部が補助されたうえで、経営力向上計画の税額控除も適用できれば、補助金による負担軽減と税の直接削減をダブルで享受することができます。設備投資を計画する際は、補助金の申請と経営力向上計画の認定をセットで検討することをおすすめします。制度の仕組みや対象者・申請手続きの詳細については、経営力向上計画の完全ガイドをご参照ください。本記事では、建設業ならではの活用シーンとモデルケースを中心に解説します。

1. 経営力向上計画の基本要件(建設業が押さえるべき最低限のポイント)

制度の詳細は完全ガイドに譲りますが、建設業として申請する際に特に押さえておくべき要件を整理します。

  • 申請先は国土交通省(地方整備局等)。
  • 計画期間は3年・4年・5年から選択。期間中に労働生産性を年率3%以上向上させることが目標
  • 原則として認定後に設備を取得すること。ただし申請書の受理日から遡って60日以内の取得であれば適用可(同一事業年度内の認定が必要)
  • A類型(設備の生産性向上要件)での申請は工業会等の証明書が必要。取得に約1か月かかる場合があるため早めの手配を
  • 建設業(国交省案件)では認定まで標準約30日。電子申請の14日ルールは経産省単管案件向けのため原則対象外
支援措置内容建設業での効果イメージ
即時償却 / 税額控除(中小企業経営強化税制)全額即時償却(課税の繰り延べ)or 取得価額の10%を税額控除(資本金3,000万円超は7%)重機を導入した際、即時償却で当期の課税所得を圧縮し資金繰り改善。または税額控除なら法人税を直接削減。
低利融資・信用保証日本政策金融公庫の低利融資を実現したり、・信用保証協会の保証枠拡大も可能に設備投資資金を有利な条件で融資調達。計画的な事業拡大が可能に。
持続化補助金での加点審査上の加点要素(公募回により要件・項目が変わる場合あり)補助金の採択率向上。同時活用も有効

2. 建設業で対象になりやすい設備の3事例

経営力向上計画において、建設業で特に活用されやすい設備は大きく3つに分類されます。「経営力を高める」取り組みである必要があるため、労働生産性を高め、業務効率化を行えるなどの効果があることを説明しやすい計画が、認定を受けやすくなります。

① 建設機械・重機の導入

バックホウ・クレーン・高所作業車など、最新設備の導入や更新を行うケースです。新型機は燃費・操作性・安全性が向上しており、施工効率の改善が数値として示しやすいため、計画書に盛り込みやすい取り組みです。特にICT機能(マシンコントロール・マシンガイダンス)を搭載した建機は、人手不足対策としても有効です。

② 施工機器(ドローン・3Dスキャナー等)の導入

ドローンによる測量・起工測量、3Dスキャナーによる出来形管理など、業務効率化に向けた機器投資も対象となります。従来の測量業務を大幅に効率化でき、外注費削減・工数削減の効果が数値で示しやすい点が特徴です。

③ 業務効率化システム(原価管理・工程管理等)

工事原価管理・勤怠管理・工程管理を統合するシステムの導入も対象となります。Excelや手書きで行っていた原価集計・請求管理の自動化により、管理工数の削減や月次決算の早期化が期待できます。ただし、月額利用型のクラウドSaaSは資産取得に該当しないため税制優遇の対象外になる可能性があります。購入型・オンプレミス型、またはソフトウェアとして資産計上できる形式(取得価額70万円以上が目安)での導入が前提となります。

3. 建設業モデルケース3選

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以下に、建設業で経営力向上計画を活用した3つのモデルケースをまとめます。いずれも実際の申請に近い形を想定した内容です。

企業イメージ導入設備投資額(目安)支援措置例
土木工事業(従業員15名)ICT建機(マシンコントロール付きバックホウ)約1,800万円即時償却(課税繰り延べ)+日本政策公庫での好条件融資
建築工事業(従業員8名)ドローン測量機器・3Dスキャナー約500万円税額控除(10%)+小規模事業者持続化補助金加点
電気工事業(従業員30名)工事原価管理・工程管理システム(購入型・オンプレミス型)約1,000万円税額控除(10%)

ケース① 解体工事業者によるICT建機の導入

項目内容
企業概要従業員15名の解体工事業者
抱えていた課題建機オペレーターの属人化しており、若手オペレーターの育成も進まず慢性的な人手不足での工期遅延
導入する設備マシンコントロール機能付きICT建機(バックホウ)2台/約1,800万円
計画書の取り組み内容ICT建機導入により、若手オペレーターでも操作可能に。施工精度を維持しつつオペレーター1名で対応可能な体制を構築。労働生産性を3年間で年率3%以上向上させる計画で事業を実施。
活用した支援措置法人税の即時償却+日本政策金融公庫の低利融資
効果①法人税の即時償却(課税の繰り延べ)1,800万円全額を当期の損金に計上し課税所得を圧縮。実効税率30%で当期の納税額を約540万円前倒しで軽減できる。ただし翌期以降は減価償却費が発生しない分、課税所得が通常より増える点に留意が必要。
効果②日本政策金融公庫で低利率で借入れ中小企業等経営強化法に基づく日本政策金融公庫の低利融資を活用し、好条件で融資を獲得。
📌 このケースのポイント即時償却は「課税の繰り延べ」であり、恒久的な節税ではありません。当期の課税所得を大きく圧縮して資金繰りを改善する効果があります。認定取得・設備取得・決算期のタイミングを事前に整理しておくことが重要です。

ケース② 土木工事業者によるドローン・3Dスキャナーの導入

項目内容
企業概要従業員8名の土木工事業者
抱えていた課題測量・現場管理に外注費がかさむ。図面との差異確認に時間がかかり、手直しが発生
導入した設備ドローン測量機器(RTK対応)+3Dスキャナー一式/計約500万円
計画書の取り組み内容ドローン・3Dスキャナーにより起工測量・出来形管理をインハウス化。外注費削減と測量工数の年間50日以上削減を目標。労働生産性を3年で年率3%以上向上
活用した支援措置法人税の税額控除+小規模事業者持続化補助金の加点項目
効果①法人税税額控除取得価額の10%を法人税額から控除。500万円の投資金額の10%である約50万円の法人税を控除。
効果②小規模事業者持続化補助金の加点ドローン・3Dスキャナーの投資に小規模事業者持続化補助金を活用。最大補助額の250万円の補助を受領。
📌 このケースのポイントドローンは金額が比較的小さいため「税額控除」が有利になりやすいです。外注費削減という定量的な効果が示しやすく、計画書の説得力を高めやすいケースです。また工業会証明書の手配は早めに着手することが重要です。

ケース③ 電気工事業者による業務効率化システムの導入

項目内容
企業概要従業員30名の電気工事業者(工場・商業施設の電気設備工事が主力)
抱えていた課題工事ごとの原価管理がExcel頼みで、月次の収支把握が翌月末にずれ込む。事務担当者の残業が慢性化
導入した設備工事原価管理・工程管理・請求管理の統合システムを新たに自社用に開発・導入(購入型・オンプレミス型)/約1,000万円
計画書の取り組み内容システム導入により原価をリアルタイムで可視化し、月次決算を5営業日以内に完結。事務人員3名の工数を、1名あたり年間240時間削減。労働生産性を3年で年率3%以上向上
活用した支援措置法人税の税額控除
効果:法人税税額控除取得価額の10%である100万円を法人税額から直接控除。
📌 このケースのポイント税額控除は法人税額から直接差し引くため、即時償却と異なり恒久的な節税効果があります。ただしシステムが月額SaaS型の場合は対象外になる可能性があるため、購入型・オンプレ型での導入が前提です。持続化補助金の加点要件は公募回によって変わるため、最新の公募要領で確認しましょう。

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4. 計画書作成で押さえておきたいポイント

初めて計画書を作成する際につまずきやすい点を表にまとめます。

チェックポイント具体的な記載のコツ
現状課題を数字で示す「工期遅延が月2件発生」「測量外注費が年間150万円」など、定量的に記載すると説得力が増す
取り組みとの因果関係を示す「〇〇を導入することで△△業務を削減し、労働生産性を□%向上させる」という論理の流れを作る
数値目標を現実的に設定する年率3%以上の労働生産性向上が基本要件。根拠となる計算式(付加価値額÷従業員数)も添えると丁寧
認定前に設備を取得する場合は60日ルールを確認原則は認定後取得。ただし申請書の受理日から遡って60日以内の取得なら適用可。同一事業年度内の認定も必要
クラウド型(SaaS)は対象外の可能性あり月額利用型SaaSは資産取得に該当せず税制優遇の対象外になる場合がある。購入型・オンプレミス型、または取得価額70万円以上のソフトウェアが前提
工業会証明書は早めに手配するA類型(設備の生産性向上要件)での申請は工業会の証明書が必要。取得に1か月程度かかる場合があるため早めの手配を。

まとめ

経営力向上計画は、補助金のような競争倍率がなく、要件を満たせば認定を受けられる制度です。設備投資を予定している建設業者であれば、税制優遇・低利融資といった恩恵を比較的スムーズに享受できる可能性があります。制度の全体像(対象者・税制の詳細・金融支援・法的支援)についてはこちらの経営力向上計画ガイドをあわせてご覧ください。「自社の投資予定に使えるか確認したい」「計画書の書き方がわからない」という場合は、ぜひ補助金申請プロサポートへご相談ください。申請から認定後の活用まで、一貫してサポートいたします。

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それでは次回の記事もお楽しみにしていただければ幸いです。