こんにちは!建設業向けの補助金申請支援を行っている、補助金申請プロサポートです。
今回は、建設業でも使える、「小規模事業者持続化補助金」の活用方法について説明します。
「小規模事業者持続化補助金って、飲食店や小売業が使うものじゃないの?」と思われている方も多いかと思います。確かに、チラシ制作やホームページ作成のイメージが強い補助金ですが、実は建設業の経営課題にもしっかりフィットします。「受注が特定の取引先に偏っている」「会社の認知度が低く新規顧客が獲得できない」「現場以外の事務作業に時間がかかりすぎる」──こうした悩みを抱える建設業者にとって、小規模事業者持続化補助金は使い勝手のよい制度です。
しかも、建設業における「小規模事業者」の定義は常時使用従業員20人以下。この要件を満たす建設業者も多いのではないかと思います。
本記事では、小規模事業者持続化補助金の基本情報から、建設業での具体的な活用例、採択されるための計画書のポイント、申請にあたっての注意点まで、実務に即した形で解説します。
1. 小規模事業者持続化補助金とは?基本情報のおさらい
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が取り組む「販路開拓」や「業務効率化」を支援する国の補助金です。商工会議所・商工会と連携して申請する制度で、年に複数回の公募が行われており、比較的申請しやすい補助金として広く活用されています。
| 項目 | 詳細 |
| 対象者 | 小規模事業者(建設業は常時使用従業員20人以下) |
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は 3/4) |
| 補助上限額 | 一般型:50万円/特別枠・特例利用:最大250万円 |
| 主な対象経費 | 機械装置費・広報費・ウェブサイト関連費・展示会出展費など |
| 申請要件 | 商工会議所または商工会の事業支援計画書(様式4)の事前取得が必要 |
※上表は本記事執筆時点の最新公募回、第19回の要件を基に作成。
「一般型」での補助上限は50万円ですが、創業枠や賃金引上げ特例やインボイス特例などの特別枠・特例利用者は、最大250万円まで上限が引き上がります。自社で活用できる枠・特例がどれかを事前に確認することが重要です。
なお、以下の他に複数事業者が共同で申請をする「共同・協業型」という申請枠も
| 補助上限 | 詳細 |
| 一般型上限 | 50万円 |
| 創業型上限 | 200万円※1 |
| インボイス特例 | 50万円上乗せ、一般型及び創業型どちらも利用可能※2 |
| 賃金引上げ特例 | 150万円上乗せ、一般型のみで利用可能※3 |
| 特例を使った場合の補助上限 | 最大250万円 |
※1 創業枠利用可能者:公募締切時から起算して創業1年以内で、「特定創業支援等事業」による支援を受けた事業者
※2 インボイス特例利用可能者:2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった事業者、または 2023年10月1日以降に創業した事業者のうち、適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者 。
※3 賃金引上枠利用可能者:補助事業実施期間に事業場内最低賃金を+50 円以上とした事業者。
「小規模事業者」の定義に注意
建設業で小規模事業者持続化補助金に申請できるのは、常時使用する従業員が20人以下の事業者です。パートやアルバイトを含む場合もあるため、自社の従業員数を事前に確認しておきましょう。なお、「常時使用」とは、季節的・臨時的な雇用を除いた、継続的に雇用している従業員を指します。
2. 建設業が抱える「販路開拓・業務効率化」の課題
補助金を活用するにあたって、まず自社の課題を整理することが重要です。建設業に共通する課題として、以下3点が挙げられます。
(1)新規顧客の開拓ができていない
- 受注が特定の元請けや既存取引先に依存しており、新規顧客へのアプローチ手段がない
- 会社のホームページがなく、あっても情報が古く、施工実績が伝わらない
- 地域での認知度が低く、問い合わせが来ない
(2)競合との差別化をうまく伝えられていない
- 施工の品質や得意工種に自信があっても、それを外部に伝える手段がない
- 過去の施工実績が社内にとどまっており、営業資料として活用できていない
- 価格以外のアピールポイントを示せず、値引き交渉に応じざるを得ない
(3)業務効率化が追いついていない
- 見積や工程管理をExcel・紙で対応しており、担当者の負担が大きい
- 現場と事務所の情報共有が電話・FAX中心で非効率
- 小規模ゆえ一人の担当者が複数の業務を兼任しており、手が回らない
3. 建設業者が小規模事業者持続化補助金で取り組める活用例
小規模事業者持続化補助金は幅広い経費が対象となります。建設業者が実際に活用できる主なパターンを紹介します。

【活用例①】小型建設機械・工具の導入
小規模事業者持続化補助金の「機械装置費」として、業務効率化に資する機械や重機、工具の購入費用を計上できます。
重要なのは、「機械を買いたい」だけでは採択されないという点です。「この機械を導入することで、どんな新しい顧客にアプローチできるようになるか」という販路開拓との関連性や、「業務内容の効率性がどのように変わるか」という業務効率化の観点で、計画書で明確に示す必要があります。
たとえば、「小型バックホウを導入することで、これまで対応できなかった狭小地・住宅密集地でのリフォーム工事を受注できるようになる。新たに個人住宅オーナー層へのアプローチを開始する」というストーリーであれば、新規顧客層を開拓するための設備投資というアピールができるため、審査で評価されやすい内容となります。
【活用例②】ホームページの制作・リニューアル
なお、ホームページやインターネット広告費などのウェブサイト関連費には補助金総額の1/4という上限があります。たとえば補助額が50万円の場合、うちウェブサイト関連費で使えるのは12.5万円まで。ホームページ制作だけで申請を完結させようとすることはできず、他の経費と併せて申請する必要があるため、ご注意ください。
施工実績・得意工種・スタッフ紹介などを掲載したホームページは、新規顧客の獲得や採用強化に直結します。「検索から問い合わせが来る仕組みをつくる」「採用サイトとしても機能させる」といった目的での制作・リニューアル費用が対象です。
【活用例③】チラシ・会社案内の作成
地域の不動産会社・管理組合・自治体・マンション管理会社などへの営業に使う会社案内やチラシの制作費用も対象経費です。「これまで口コミや紹介頼みだった営業を、整った資料を持って能動的に動くことで新規取引先を開拓したい」という方向性で計画書を組み立てると、小規模事業者持続化補助金の趣旨と合致しやすくなります。
【活用例④】展示会・商談会への出展
建設関連の展示会や地域の異業種交流会・商談会への出展費用も補助対象です。法人顧客や元請け企業の新規開拓を狙う場合に有効な手段で、出展費用に加えて、その場で配布するパンフレットの制作費用なども合わせて計上できます。
【活用例⑤】業務効率化ツール(システム)の導入
見積作成ソフト・工程管理ツール・電子帳票システムなどの導入費用も対象になります。「事務処理の時間を削減し、浮いたリソースを営業活動に充てることで新規顧客を開拓する」という構成が、販路開拓との関連性を自然に示しやすい書き方です。
なお、ITツールも②と同様に「ウェブサイト関連費用」というカテゴリとなるため、補助対象経費は全体経費の1/4以内になること、注意が必要です。
お気軽にご相談ください
各種補助金についてのご相談をLINE又はお問い合わせフォームからお受けしています。
公式LINEアカウントの登録特典もご用意しておりますので、お気軽にご利用ください。
4. 採択事例(参考)以下は、建設業者が小規模事業者持続化補助金を活用した参考事例です。
【事例①】解体工事業|小型重機の導入による狭小地対応力の強化
- 事業者:解体工事業(従業員5名用)
- 課題:住宅密集地や狭小地での解体工事依頼が増加しているが、既存の重機では対応できず、受注を断るケースが続いていた。新たな顧客層への対応力強化が急務だった。
- 取り組み:小型バックホウ(アタッチメント付き)を導入し、狭小地・室内解体への対応を可能に。あわせて対応可能な工事内容を記載したチラシを制作し、地域の不動産会社・管理会社へ配布。
- 補助対象経費:小型バックホウ購入費、チラシ制作費
- 補助額:250万円(創業型でインボイス特例を活用、補助率2/3)
- 効果:狭小地・室内解体の受注が開始。地域の不動産会社2社と継続的な取引関係を構築。
【事例②】内装工事業|会社案内・施工事例集の制作と商談会出展
効果:商談会での名刺交換先25社にフォローアップ営業を実施。うち3社と新規取引が成立し、継続受注につながった。
事業者:内装仕上げ工事業(従業員12名)
課題:法人顧客(飲食店・オフィス・クリニックなど)への新規アプローチを強化したいが、営業ツールが名刺のみで、施工実績を効果的に伝える手段がなかった。
取り組み:施工事例を豊富に掲載した会社案内冊子・施工事例集を制作。地域の建設・不動産関連の商談会に出展し、法人顧客への直接アプローチを開始。
補助対象経費:会社案内・施工事例集の制作費、商談会出展費
補助額:200万円(一般型で賃金引き上げ特例を活用、補助率2/3)
5. 採択されるための計画書のポイント
小規模事業者持続化補助金の審査では、「この取り組みによって、どんな新しいお客様にどうアプローチするのか」が問われます。建設業の申請で採択率を高めるためには、以下の点を意識して計画書を作成することが重要です。
(1)ターゲット顧客を具体的に設定する
「新規顧客を増やしたい」という抽象的な表現では評価されません。「地域の高齢世帯向けにリフォーム需要を取り込む」「管理物件数の多い不動産会社と継続取引を始める」など、狙う顧客像と接触方法を具体的に示しましょう。
(2)現状分析を丁寧に行う
「なぜ今この取り組みが必要か」を説明するために、自社の強み・弱み・市場環境などの現状分析を丁寧に書くことが重要です。競合との差別化や地域の需要動向を踏まえると、計画書の説得力が増します。
(3)補助金を使った取り組みの効果を数字で示す
「売上が上がりそう」「問い合わせが増えそう」という感覚的な表現では審査で評価されません。たとえば「ホームページ経由で月3件の問い合わせを獲得し、成約率30%で年間売上を〇〇万円増加させる」「チラシ配布により新規取引先を年〇社開拓する」など、取り組みの結果として何がどれだけ変わるかを具体的な数字で示すことが重要です。根拠が明確であるほど、審査員への説得力が高まります。
(4)補助事業を確実に実行できることをアピールする
計画書には、取り組みの内容だけでなく「誰が・いつ・どのように実行するか」を示すことも重要です。たとえば「ホームページ制作は○月に外注先と契約し、△月に公開予定」「チラシの配布は代表と営業担当2名で対応し、配布先リストは既に作成済み」といった形で、実施体制と具体的なスケジュールを明記しましょう。実現可能性の高い計画であることが伝わると、審査での評価につながります。
6. 申請の流れと注意点
申請ステップの概要
- STEP1:商工会議所・商工会への相談・事業支援計画書の依頼
- STEP2:経営計画書・補助事業計画書の作成
- STEP3:電子申請(または郵送申請)
- STEP4:採択結果の通知
- STEP5:交付申請・補助対象経費の発注(必ず採択・交付決定後)
- STEP6:事業実施・実績報告
- STEP7:補助金の交付
よくある落とし穴
発注前着手はNG
補助金の採択通知だけでは足りません。採択後にさらに「交付決定」という手続きを経て初めて経費の発注が可能になります。交付決定前に動いてしまった経費は補助対象外になるため、注意が必要です。
補助金は後払い
補助対象の経費はいったん全額自己負担で支払い、事業完了後に申請・精算する仕組みです。まとまった資金を一時的に用意できるか、事前に確認しておきましょう。
ウェブサイト費用は補助額の1/4が上限
ホームページ制作やインターネット広告などの費用を申請数る場合、他の経費と組み合わせて申請する必要があります。
賃上げを検討している場合は「賃金引き上げ枠」も視野に
採用した従業員の賃金を引き上げる予定がある場合、賃金引き上げ枠(補助上限200万円)の活用も検討に値します。通常枠より上限額が大きく、取り組む内容によっては有利な選択肢になります。
補助対象外の経費に注意
パソコン・スマートフォン・タブレットなどの汎用品や、人件費・交通費・光熱費といった通常の事業運営にかかる経費は補助対象外です。「使えると思っていた経費が認められなかった」というケースは少なくないため、申請前に商工会議所・商工会の担当者や補助金の専門家に確認し、自社の取り組みと経費が補助対象になるかどうかをしっかり確認しておきましょう。
まとめ

小規模事業者持続化補助金は、規模の小さい建設業者こそ活用しやすい制度です。機械装置の導入からホームページ・チラシ制作、業務ツールの導入まで、幅広い経費に対応しており、使えるのに活用していないのはもったいない補助金です。
ただし、採択のポイントはあくまで計画書の書き方にあります。「何を買いたいか」ではなく「この取り組みによって、どう顧客を増やすか」という視点で一貫したストーリーを組み立てることが、採択への近道です。
「自社の取り組みが対象になるか」「計画書の方向性をどう組み立てればいいか」など、お気軽に補助金申請プロサポートまでご相談ください。補助金申請のプロが、貴社の販路開拓・業務効率化をしっかりサポートします。
LINE公式はこちら
WellFlagsではLINE公式アカウントで補助金情報、各種制度の発信を行っています! 登録特典もありますので、ぜひこちらからお友達登録をお願いします!

各種補助金についてのお問い合わせは上記LINEやお問い合わせフォームからお願いします!
それでは次回の記事もお楽しみにしていただければ幸いです。

