IT導入補助金を検討中の方より「補助金対象となるITツールとは何か良く分からない」という質問を受けることがあります。
IT導入補助金のITツールは、IT補助金事務局に認定された登録ツールが対象となり、公式ウェブサイトの「ITツール検索」から確認することができます。
とは言え、どのようなツールが実際に採択対象となっているかは簡単な情報しか公表されておりません。この記事では、実際に各種補助金の申請を代行し、豊富な採択実績のある中小企業診断士がIT導入補助金におけるITツールについて、6つの事例を紹介していきます。
IT導入補助金の ITツール とは
今回紹介する6つの事例は下記になります。
- 宿泊予約サイト一元管理システム「かんざしクラウド」
- 3次元CAD「MADRIC・AD-1」
- RPAツール「Win Actor」
- クラウド型電子カルテシステム 「CLIPLA Eye」
- 販売管理システムBセット
- 訪問介護支援システム「Care-wing 介護の翼」
それでは詳しく解説していきます。
宿泊予約サイト一元管理システム「かんざしクラウド」の導入
導入の背景
ペンションを経営しているが、売上は横ばいとなっていた。新たな宿泊プランのアイデアはあるものの、日々の業務におわれ、手を付けられずにいた。宿泊プランは複数の宿泊予約サイトで管理しており、維持管理を外部のコンサルティング会社にも委託していたが、コストもかかっていた。
人員を追加する余裕もなく、複数ある宿泊予約サイトの管理を簡素化できないかと悩んでいた。
導入の目的
複数ある宿泊予約サイトを管理できる手法はないかと、観光事業者向けのITツール導入セミ ナーに参加したところ、宿泊予約サイト一元管理システム「かんざしクラウド」であれば抱えている課題を解決できることがわかり、IT導入補助金を使って導入することを申請した。
3次元CAD「MADRIC・AD-1」の導入
導入の背景
工務店を経営しているが、お客様への提案にあたり、設計は2次元CADソフトで、外観はイメージは3次元パースソフトで、積算は積算ソフトで、と別々のソフトウェアを使用していた。そのためデータ共有が煩雑で、課題を抱えていた。
導入の目的
建設業界も効率化を求められるようになり、いつかは設計、イメージパース、積算を1つのソフトウェアで行いたいと考えていた。そんなおりIT導入補助金の存在を知り、かねてより検討していた3次元CAD「MADRIC・AD-1」をIT導入補助金を活用して導入することを申請した。
クラウド型電子カルテシステム 「CLIPLA Eye」の導入
導入の背景
紙のカルテは保存場所との兼ね合いもあることから、一定の年数が過ぎたものは捨てざるを得ない状況であった。また、紙カルテの場合、カルテそのものを探すことが非常に手間であり、事務作業に余計な影響を与えていた。
導入の目的
カルテを電子化することで保存期間とカルテを探す時間を大幅に改善できると考えた。そこから電子カルテに関するITツールを調査し、医院の管理形態に最もマッチしたクラウド型電子カルテシステム 「CLIPLA Eye」をIT導入補助金を活用して導入することを申請とした。
販売管理システム「Bセット」の導入
導入の背景
これまで商品の仕入れ管理方法は、従業員個人の裁量で行われており、システム化されていなかった。当該従業員が退職した際、事務作業は非常に遅れてしまい取引先に加え、自社の従業員にも多大な負担をかけてしまっていた。
導入の目的
従業員個人の裁量で行われていた商品の仕入れ管理をシステム化することで、業務が属人化しないようにしたいと考えた。取引のあったコンサルタントの相談したところIT導入補助金の存在と商品の仕入れ管理を一元化できるソフトウェア「販売管理システムBセット」を知り、IT導入補助金を活用して導入することを申請した。
訪問介護支援システム「Care-wing 介護の翼」の導入
導入の背景
訪問介護事業は介護士の負担が急激に増加している。中でも書類ベースでの事務作業の比重が多く、介護の専門家としての業務ではない業務に多くの時間を要しているのが現状であり、介護士の離職にも繋がっていた。
導入の目的
書類ベースでの事務作業をなるべく効率化することで、介護士の負担を減らすことは喫緊の課題であると認識しており、それを改善するためのIT化を検討してきた。その中で、最もニーズとマッチしたのが訪問介護支援システム「Care-wing 介護の翼」であり、IT導入補助金を活用して導入することを申請した。
採択される ITツール の 特徴 とは
ここまでIT導入補助金のITツールの6つの事例を紹介してきました。
事例を紹介する中でお気づきになった方もいるかと思いますが、補助金の採択を目指す上では「ITツールを導入したい理由」も非常に重要ということです。紹介事例においても、自社の事業の特徴や現状の課題を踏まえ、なぜITツールを導入するのかという理由が、非常に分かりやすく説明されていますね。
「どんなITツールを導入するのか」という視点に加え「なぜそのITツールを導入するのか」という事をよく考え、アピールすることが採択を目指す上では大切と言えます。
また、下記の記事ではIT導入補助金が不採択となる理由やIT導入補助金が難しいと言われている理由を紹介しています。併せてご参照ください。
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この記事ではIT導入補助金のITツールの6つの導入事例を紹介してきました。
採択を目指す上では、自社の事業の特徴や現状の課題を踏まえ、なぜITツールを導入するのかという理由を説明することと、その課題を解決するために最適なITツールを選定することの2つの視点が効果的なので、採択を目指す方は、ぜひ、参考にしてください。
一方で、「ITツールに関する情報がなく、ITツールの導入によって、どういう課題を解決できるのか想像ができない」という相談を受けることも多々あります。
そういう場合には、補助金のプロに相談することを推奨します。
特に、補助金申請プロサポートでは、補助金申請にお悩みの方向けに、無料相談を実施中です。
補助金申請のプロとして、豊富な採択実績のある補助金申請のプロが補助金のお悩みにお答えしますので、補助金のお困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。
早稲田大学卒業後、大手総合商社に勤務し、
企業成長と多様な働き方の両立を支援する株式会社WellFlagsを設立
ものづくり補助金やIT補助金等の補助金申請代行の専門家として、各種補助金のコンサルタント、申請代行を実施
高い採択率を誇る補助金申請プロサポートの代表コンサルタントとしても活動中