中小企業の資金調達支援を行っている補助金申請プロサポートです。
本記事では、省力化補助金の「一般型」について、業種別の活用例や申請のポイントを解説します。
本補助金を活用する具体的なイメージをつかみたい方は、ぜひ本記事をご参照ください。
はじめに:省力化補助金(一般型)とは?
省力化補助金(一般型)とは、中小企業の省力化のための投資を助成し、売上拡大や生産性向上、および賃上げを支援する補助金です。
以前から省力化補助金(カタログ注文型)が実施されていましたが、一般型はそれに加えて実施される新しい類型となります。
一般型は、個別の業務内容や現場環境に合わせて、設備・システムを組み合わせて導入できる点が特徴です。カタログ注文型のように登録製品をそのまま導入するだけでなく、自社の工程やレイアウト、既存業務に合わせた省力化投資を計画しやすい制度です。
また、補助上限額も最大1億円と、カタログ注文型の最大1,500万円より大きくなっています。
省力化補助金(一般型)は、単品の既製設備をそのまま導入するだけではなく、自社の業務工程や現場環境に合わせて複数設備・システムを組み合わせ、省力化効果を高めたい事業者に向いている制度です。
| カタログ注文型 | 一般型 | |
|---|---|---|
| 概要 | カタログに登録された既製品の中から導入する設備を選ぶ | 設備をオーダーメイドで導入 |
| 補助上限額 | 最大1,500万円 | 最大1億円 |
※2026年5月時点
カタログ注文型については、以下の記事で解説しております。一般型よりもカタログ注文型の方が適しているケースもあるため、併せてご覧いただけると幸いです。
人手不足に悩む中小企業必見|現場の負担を減らす「省力化補助金(カタログ型)」徹底解説!
補助上限額
省力化補助金(一般型)の補助上限額は下表のとおりです。大幅な賃上げに取り組むと、上限額が上がるシステムになっています。
| 従業員数 | 補助上限額 | |
| 通常 | 大幅な賃上げに取り組む場合 | |
| 5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
| 6人~20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 21人~50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 51人~100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
補助率
省力化補助金(一般型)の補助率は下表のとおりです。なお、最低賃金引上げ特例の要件を満たす中小企業は、補助率が2/3に引き上げられる場合があります。ただし、単に賃金を引き上げれば適用されるわけではなく、2024年10月から2025年9月までの間に、当該期間における地域別最低賃金以上~2025年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上となる月が3か月以上あることなどが条件となります。
| 補助対象者 | 補助率 | |
| 通常 | 最低賃金引き上げに係る特例要件を満たす場合 | |
| 中小企業 | 1/2 | 2/3 |
| 小規模企業者・小規模事業者・再生事業者 | 2/3 | 適用なし |
対象経費
省力化補助金(一般型)の対象経費は下表のとおりです。機械装置・システム構築費のみ必須で、それ以外は任意で申請できます。また、補助上限額が設定されている経費があります。
| 対象経費 | 必須・任意 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 機械装置・システム構築費 | 必須 | なし |
| 運搬費 | 任意 | なし |
| 技術導入費 | 任意 | 経費総額の1/3 |
| 知的財産権等関連経費 | 任意 | 経費総額の1/3 |
| 外注費 | 任意 | 経費総額の1/2 |
| 専門家経費 | 任意 | 経費総額の1/2 |
| クラウドサービス利用費 | 任意 | なし |
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製造業での省力化補助金(一般型)の活用例※第4回公募の採択事例から抜粋

製造業での省力化補助金(一般型)の活用例の一部を紹介します。
- 自動組立ロボットシステムの導入による夜間無人稼働の実現
- AI画像検査装置の導入による、目視検品業務の大幅な省力化と精度向上
- 協働ロボット導入で畳製造を省力化、和室以外の畳製品で新規市場を開拓
- 自動裁断機導入により裁断工程をデジタル化・自動化し生産性向上と属人化脱却をはかる
- 調理済惣菜のパッケージングラインを自動化し生産性を30%向上
製造業は、慢性的な人手不足や熟練工の高齢化によって、増産に対応できないケースが増えている業種です。そこで、本補助金を活用して上記のような省力化設備を導入すれば、増産にも対応することができます。
省力化によって余裕が出た人手や時間を単に増産に回すだけでなく、新たな販路開拓や若手育成などに回し、長期的な経営基盤の強化を目指すことも重要です。
建設業での省力化補助金(一般型)の活用例

建設業での省力化補助金(一般型)の活用例の一部を紹介します。
- ドローンおよび3D測量システムの導入による測量業務の省力化
- ICT建機(自動制御付きショベルカーなど)の導入による熟練技術の代替と工期短縮
- 地域インフラ施工における包括的なデジタルツインの構築
- チルトローテーター×ICTで、地域インフラを守る技術者集団へ
- 「現場革新」による鉄道工事業務の省力化と労働環境の改善
建設業は2024年に時間外労働の上限規制が適用されたため、規制への対応という面でも省力化が急務となっています。そこで、本補助金により人力依存の行程を自動化すれば、作業時間の短縮を実現できます。
建設業における省力化設備の導入は単なる作業時間の短縮だけでなく、以下のようなメリットもあります。
- 熟練工への依存が減ることで施工精度が安定する
- 危険な作業を自動化することで安全性が向上する
- 新たな公共事業受注などの余裕が生まれる
建設業の詳細な活用事例については、以下の記事をご覧ください。より具体的な取組効果のイメージが出来るかと思います。
【2025年最新版】事例から学ぶ建設業の人手不足を解消する「省力化補助金(一般型)」
物流・卸売業での省力化補助金(一般型)の活用例

物流・卸売業での、省力化補助金(一般型)の活用例の一部を紹介します。
- 自動搬送ロボット(AGV)と自動倉庫システムの連携によるピッキング作業の省力化
- AI搭載の配車管理・在庫管理システムの導入による事務作業の削減
- 省力効果の高い入出庫管理システムを駆使した物流卸DX化計画
- 物流拠点における青果物省力化システム導入計画
- 電設資材卸における帳票作成を自動化する基幹システム構築事業
物流・卸売業は、物流の効率化や倉庫内作業の省人化が急務となっているケースが多い業種です。特に、手入力で行っている管理作業の自動化は、作業効率の大幅な向上につながります。
また、基幹システムの構築は部門間の連携を高め、管理精度を向上できる効果もあります。
サービス・宿泊・飲食業での省力化補助金(一般型)の活用例

サービス・宿泊・飲食業での、省力化補助金(一般型)の活用例の一部を紹介します。
- 宿泊施設における自動チェックイン機や清掃ロボットの導入
- 飲食店における高機能な配膳ロボットとオーダーシステムの連携によるホール業務の省力化
- IoT活用で省力化を実現する次世代車検センター化計画
- 作業の自動化・効率化に資する設備導入で多店舗出店による事業の大規模化を図る
- 団体旅行向け飲食店予約代行自動化システムの導入
サービス・宿泊・飲食業は、接客やバックヤード業務に多くの人手を要する業種です。よって、自動化システムの導入やロボット化などによって、作業効率の改善を目指すことが大切になります。
省力化によって削減した工数を、接客品質の向上や新規顧客対応に振り向けることで、売上拡大や付加価値向上につなげることが重要です。さらに、得られた収益を賃上げや人材確保に回すことで、補助金の目的である生産性向上と賃上げの実現にもつながります。
省力化補助金(一般型)を申請・活用する際の注意点
省力化補助金(一般型)を申請する際は、対象事業が要件を満たしているか確認することが大切です。
本補助金の主な要件は以下のとおりとなっています。
- 労働生産性が年平均4%以上増加
- 1人当たり給与支給総額の年平均成長率が3.5%以上増加
- 事業所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上
- 一般事業主行動計画の公表(従業員21名以上の場合)等
労働生産性や省力化指数などが具体的に何を指すかについては、公募要項に定義が記載されています。この定義に従って計算し、要件を満たすような事業計画を策定しなければなりません。
また、公募要項によると、対象事業にかかる50万円以上の発注については、原則として相見積もりをとらなければならないと定められています。相見積もりをとったうえで、最低価格を提示した取引先に発注するのが原則となります。
また、実際に採択されるには、公募要領に記載された審査項目に沿って、事業計画書を作成する必要があります。採択率を上げたい方は、以下の記事で重要なポイントを解説しているので、ぜひご覧ください。
【省力化補助金(一般型)】事業計画書作成のポイント〜審査項目に沿った作成手順とコツ〜
まとめ:自社の課題に合った省力化投資で人手不足を乗り切ろう
省力化を支援する本補助金は、深刻化する人手不足の対策に大変有効です。積極的に活用して、生産性向上および賃上げを実現しましょう。
ただし、本補助金は要件がやや複雑なため、自社のケースで使えるかを専門家に相談することも大切になります。
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