令和7年度から新たに実施された「100億宣言」という制度。中小企業が大きく成長するために売上100億円を目標とし、その実現のための取組内容を宣言する制度です。
この100億宣言を行い、売上100億円を目指す事業者を支援するため、経済産業省では大規模な補助金制度「中小企業成長加速化補助金」を設けています。そこで今回の記事では、中小企業成長加速化補助金について、制度の概要やどのように活用できるのか、補助金の申請方法、補助金を受け取るまでの流れ等についてわかりやすく解説します。
第1章:中小企業成長加速化補助金とは?
制度の目的
中小企業の大胆な成長投資を後押しし、将来100億円級の企業を生み出すことで、賃上げと外需獲得の波及を地域に広げ、経済の好循環を全国へ行き渡らせることを目的としています。公募要領に記載されている具体的な目的と令和7年度の成長加速の位置づけを以下で紹介します!
- 成長投資の支援:100億円を目指す中小企業の設備・DX等への大規模投資を後押し。
- 成長企業の創出:高い賃金水準・輸出・サプライチェーン波及を担う企業群を育成。
- 地域経済の好循環:賃上げと生産性向上の効果を各地域に波及させ、稼ぐ力を底上げする。
令和7年度の位置づけ:賃上げ率・国内投資が30年ぶりの高水準となる中、物価高や人手不足といった課題に直面する中小企業の「稼ぐ力」向上と、地域経済に波及効果をもたらす成長企業の創出を重点施策として位置づけられている。
補助金額の大枠(最大額)
投資額1億円以上(税抜)の取り組みが対象になります。対象者については第2章で解説します。
第2章:どのような事業者・取り組みが対象になるのか?
対象事業者
中小企業者(中小企業等経営強化法の定義に準拠)であることや、売上10億以上100億未満の事業者であり、100億宣言を行った事業者が対象となります。以下の表や直近の決算書の売上高を確認して補助金対象事業者か確認しましょう!
※100億宣言については第4章で別途解説を行います。
対象経費の具体例(区分毎に): 建物費/機械装置費/ソフトウェア・クラウド利用費/外注費/専門家経費
対象となる建物・設備・ソフト・クラウド利用費の具体条件: 単価100万円以上、用途が補助事業専用であることなど
最低投資額の条件: 補助対象投資額が1億円以上であること(税抜)
様々な条件がありますが、上記の多岐にわたる経費が対象なのは魅力的です!
第3章:賃上げ要件とは?達成できないとどうなるか?
中小企業成長加速化補助金を活用するための要件の一つに賃上げがあります。
賃上げのルールは公募要領で次のように記載されています。
「補助事業が完了した日を含む事業年度(基準年度)の給与支給総額と比較した、基準年度の3事業年度後(最終年度)の給与支給総額の年平均上昇率が、補助事業実施場所の都道府県における直近5年間(2019年度を基準とし、2020年度~2024年度の5年間を指す)の最低賃金の年平均上昇率以上であること」
都道府県別の年平均成長率は以下の通りで、この数値を基準に賃上げ計画を立てる必要があります。また賃上げについては、「一人当たり」か「総額」から選ぶことができます。
賃上げを達成できなかった場合
公募要領によると年平均上昇率の目標を達成できなかった場合、未達成率に応じて補助金の返還を求めます。ただし、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は返還を求めません。と記載されています。
「一人当たり方式」か「総額方式」の適切な選択を始めとして、実現性のある計画を立てて実行する必要があります。
第4章:100億宣言の内容とメリット
100億宣言の記載事項は以下の通りです。
出典:経済産業省ミラサポplus
100億宣言をするとどんなメリットがあるのか?
- 補助金等の活用: 成長加速化補助金や経営強化税制の拡充措置を受けることができる。
- 経営者ネットワークへの参加: 成長を目指す経営者が、地域・業種を超えて繋がれるネットワークを構築。
- 宣言の公式ロゴマーク活用による自社PR: 現在商標登録出願中。
新規の制度なこともあり、今後も100億宣言をした企業に対する優遇措置があることが期待されています。
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第6章:審査で重視されるポイントとは?
定量面と定性面の評価:ローカルベンチマーク(LBM)
ローカルベンチマークとは、経済産業省が策定した中小企業の“見える化&対話”ツールで、金融機関や支援機関と共通言語で現状を把握するための枠組みです。具体的には以下の3つの要素から構成されます。
- 財務6指標 → 投資計画の根拠として客観性を補強
- 商流・業務フロー → 投資対象の位置づけを明確化
- 4つの視点 → 経営者のビジョンや組織体制を審査員が理解しやすくなる
その他の審査項目:
- 5年先までの明確な事業戦略と収益計画
- 賃上げの具体性と達成可能性
- 地域経済への波及効果
- 外部環境・競合分析を踏まえた差別化
- 金融機関との連携や支援体制
加点項目: 加点項目条件を満たすと補助金が採択されやすくなります。今回の中小企業成長加速化補助金の場合は、くるみん認定、えるぼし認定、金融機関の確認書などが有利要素として考慮されると公募要領に記載があります。
第7章:申請準備で押さえるべきポイントと相談先
申請準備の必須ステップ:
- 100億宣言
- GビズID取得
- 成長投資計画策定
- 複数見積取得
- 専門家連携
相談先やパートナーの活用:
- 中小機構や支援事業者、コンサルタントとの連携が重要
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今回は、中小企業成長加速化補助金について簡単に解説してみましたが、いかがだったでしょうか?この補助金は採択されれば事業成長を大きく加速させることができますが、100億宣言を始めとした準備段階や計画書作成のプロセスが重い内容となっています。
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本日は中小企業成長加速化補助金について最新情報をまとめました。
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それでは次回の記事もお楽しみにしていてください!

早稲田大学卒業後、大手総合商社に勤務し、
企業成長と多様な働き方の両立を支援する株式会社WellFlagsを設立
ものづくり補助金やIT補助金等の補助金申請代行の専門家として、各種補助金のコンサルタント、申請代行を実施
高い採択率を誇る補助金申請プロサポートの代表コンサルタントとしても活動中