【2026年度】省エネ補助金「設備単位型」を徹底解説

【2026年度】省エネ補助金「設備単位型」を徹底解説

電気代や燃料費の高騰が続くなか、省エネ設備への投資を国が後押しするのが「省エネ・非化石転換補助金」です。この補助金には、工場全体をまとめて更新する工場・事業場型と、高効率な指定設備を1台から入れ替えられる設備単位型の2つの申請タイプがあります。本記事では、より手軽に使える設備単位型に絞って、対象になる設備・補助率・上限額・申請要件を、2026年度(令和7年度補正予算)の公募要領の数値ベースで整理します。2026年度はGX要件を満たすメーカー強化枠とトップ性能枠が新設され、補助率や上限が手厚くなりました。2次公募の締切までに、自社が狙える枠を見極めましょう。

この補助金の基本情報

項目内容
正式名称令和7年度補正予算 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金(通称:省エネ・非化石転換補助金)
執行団体一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)
今回扱う申請タイプ設備単位型(事業区分Ⅲ)
従来枠/GX設備単位型 メーカー強化枠/GX設備単位型 トップ性能枠(更新事業・新設事業) ※GX系3枠は2026年新設
補助率1/3〜1/2以内(新設事業の枠は1/5以内)
補助上限額従来枠 1億円/GX各枠 3億円(いずれも事業全体)
補助下限額30万円/事業全体
補助対象中小企業者等・大企業・その他(補助率は共通)
2次公募期間2026年6月1日(月)〜7月9日(木) ※1次は4/27終了、3次は未定

〇特設サイト:https://syouenehojyokin.sii.or.jp/

省エネ・非化石転換補助金とは?まず2つの申請タイプの違い

省エネ・非化石転換補助金は、正式名称を「令和7年度補正予算 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」といい、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が執行する制度です。電力や燃料の価格高騰が続くなか、省エネルギー性能の高い設備への更新や、化石燃料から非化石エネルギーへの転換を進める企業を、大型の予算で支援します。

この補助金には、申請の入口が大きく2つあります。ひとつは工場・事業場全体をまとめて省エネ化する工場・事業場型、もうひとつが、国の指定する高効率設備を1台単位から更新できる設備単位型です。どちらを選ぶかで、対象の考え方・補助率・上限額・計画づくりの重さが変わります。本記事のテーマである設備単位型は、対象設備の型番があらかじめ公表されているため計画づくりが比較的シンプルで、初めて省エネ補助金に取り組む中小企業にも使いやすいタイプです。まずは2つのタイプの違いを下表で確認しましょう。

観点工場・事業場型設備単位型(今回のテーマ)
対象の考え方工場・事業場全体でまとめて省エネ(複数設備・生産ライン更新)SIIの指定設備を単位で更新(1台から)
補助率1/2〜2/3(中小2/3・大企業1/2)1/3〜1/2(新設枠は1/5)
補助上限額最大15億円(非化石転換は20億円)従来枠 1億円/GX枠 3億円
補助下限額100万円30万円
主な要件省エネ率10〜30%等+投資回収年数。計画が重い省エネ率10%等+指定設備。比較的シンプル
向く企業大型投資・工場全体の最適化ピンポイント更新・まず1台から

設備単位型はこんな企業・ケース向け

設備単位型は、SIIが指定設備としてエネルギー消費効率の基準と対象型番を公表している設備を入れ替えるための枠です。型番ベースで対象が決まっているため、自社の更新したい設備が対象リストに載っているかを確認するところから始められ、ゼロから省エネ計算を組み立てる工場・事業場型に比べて、計画づくりの負担が軽いのが特長です。補助の下限は事業全体で30万円から。1台、あるいは数台のピンポイント更新で使えるため、次のようなケースに向いています。

  • 工場まるごとの更新までは踏み切れないが、老朽化した空調・ボイラー・変圧器を高効率機に替えたい
  • まず1台、効果の見えやすい設備から省エネ投資を始めたい
  • 指定設備の型番が決まっているので、社内の稟議や見積取得を進めやすくしたい

逆に、生産ライン全体や複数設備をまとめて最適化したい場合は、上限額の大きい工場・事業場型のほうが向きます。

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※ 設備投資のイメージ。掲載時は空調・ボイラー・変圧器等の設備写真(メディアライブラリ素材)への差し替えも可

設備単位型の4つの枠と補助率・上限

設備単位型には4つの枠がありますが、好きに選べるわけではなく、①導入する設備の性能レベルと、②既存設備の更新か新設か、の2点で使える枠がほぼ決まります。まずは下のチャートで、自社がどの枠に当てはまるかを確認しましょう。

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チャートの縦軸(設備の性能レベル)が上がるほど、また更新(既存設備の入れ替え)であるほど、補助は手厚くなります。各枠の対象と、向いている企業を整理します。

対象になる設備(更新が前提)補助率上限向いている企業・ケース
従来枠SIIが公表する標準の指定設備に更新1/31億円まずは基本。自社設備が指定設備リストに該当するケース。1台〜中規模の更新
メーカー強化枠上記のうちGX要件を満たすメーカー製に更新1/33億円補助率は同じだが上限が3倍。投資額が大きく(〜3億)、GX対応メーカー製を選べる企業
トップ性能枠(更新)特に効率の高いトップ性能設備に更新1/23億円最も手厚い。トップ性能機に更新できるなら第一候補
トップ性能枠(新設)トップ性能設備を新設(入れ替えでない)1/53億円既存設備がなく新たに導入する場合。補助率は下がる

※ 下限はいずれも30万円/事業全体。補助対象経費は原則「設備費」で、トップ性能枠などで工事費が対象になる場合も、その工事費は中小企業者等のみが対象です。

自社がどの枠かは、次の3ステップで判定できます。

STEP1:SIIの特設サイトで、更新したい設備が「指定設備」リストにあるか確認する(なければ「その他SIIが認めた高性能設備」に該当するか確認)。

STEP2:既存設備の更新か、新たな新設かを決める。新設はトップ性能枠のみ・補助率1/5に下がるため、基本は既存設備の更新で検討する。

STEP3:製品の性能ランクを確認する。トップ性能設備なら補助率1/2、GX要件を満たすメーカー製なら上限3億、標準の指定設備なら従来枠(1/3・上限1億)。

迷ったら、自社の設備が当てはまる中で最も手厚い枠(補助率・上限が大きい枠)を狙うのが基本です。同じ設備が従来枠とメーカー強化枠の両方の候補になることもあるため、上限額とGX要件の充足状況を見比べて選びましょう。

対象になる「指定設備」とは(設備区分の例)

設備単位型の対象は、SIIがあらかじめエネルギー消費効率等の基準を定め、補助対象として型番を公表した指定設備が中心です。指定設備の設備区分は、次の15区分です。

①高効率空調(業務・産業用エアコン等)②産業ヒートポンプ③業務用給湯器
④高性能ボイラ⑤高効率コージェネレーション⑥低炭素工業炉
⑦変圧器⑧冷凍冷蔵設備⑨産業用モータ
⑩制御機能付きLED照明器具⑪工作機械⑫プラスチック加工機械
⑬プレス機械⑭印刷機械⑮ダイカストマシン

これらに加えて、15区分に当てはまらない「その他SIIが認めた高性能な設備」も対象になります。なお、低炭素工業炉や、コンプレッサを除く産業用モータ(モータ単体・ポンプ・送風機)は、原則として事前に型番を公表しないため、申請者自身が基準を満たすかを確認したうえで申請する点に注意が必要です。更新の前提として、国内ですでに事業を営み、エネルギー管理を一体で行っている工場・事業場等で、現在使用している設備を補助対象設備へ更新することが求められます。

申請要件と補助対象経費

設備単位型(従来枠・メーカー強化枠・トップ性能枠の更新事業)では、原油換算量ベースで次のいずれかの省エネ要件を満たす必要があります。

  • ① 計画省エネルギー率:10%以上
  • ② 計画省エネルギー量:1kl以上
  • ③ 経費当たりの計画省エネルギー量:1kl/千万円以上

省エネルギー量は、補助事業ポータルに導入予定設備の稼働時間等を入力すると自動計算(指定計算)されます。申請者が独自に計算する方法も認められています。また、省エネ法上の定期報告義務がない事業者は、SII指定フォーマットでエネルギー合理化の中長期計画を策定・提出する必要があります。

なお、トップ性能枠の新設事業は、既存のエネルギー使用がないため、申請時点では上記の省エネ要件は課されません。交付決定後にSIIが性能値・稼働状況から省エネ効果を算出します。

補助対象経費は原則として設備費です。枠によっては工事費も対象になりますが、その場合の工事費は中小企業者等に限られます。交付決定前に発注・契約した設備は対象外となるため、必ず交付決定を待ってから発注してください。

従来枠・メーカー強化枠・トップ性能枠、どれを狙う?

  • 従来枠:指定設備を更新する基本の枠。補助率1/3・上限1億円。まずはここが基準です。
  • メーカー強化枠:GX要件を満たすメーカーが製造する指定設備が対象。補助率は従来枠と同じ1/3ですが、上限が3億円に拡大。大型の更新を予定する企業に有利です。
  • トップ性能枠(更新事業):トップ性能の設備への更新であれば、補助率1/2・上限3億円と最も手厚い枠です。対象設備が限られる分、条件に合えば効果は大きくなります。
  • トップ性能枠(新設事業):新たに設備を設ける場合。補助率1/5・上限3億円。

自社の更新したい設備がどの枠の対象になるかは、SIIが公表する指定設備リストとGX要件で決まります。同じ設備が複数枠の候補になる場合は、上限額と補助率、GX要件の充足状況を見比べて選びましょう。

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2026年度の公募スケジュールと申請の流れ

2026年度の設備単位型は、複数回に分けて公募が行われます。

  • 1次:2026年3月30日〜4月27日(終了)
  • 2次:2026年6月1日〜7月9日(受付中)
  • 3次:未定

申請の大まかな流れは次のとおりです。

  • 1. GビズIDプライムを準備
  • 2. 更新したい設備が指定設備か型番を確認し、省エネ計算(指定計算)を実施
  • 3. SIIの補助事業ポータルから電子申請
  • 4. 審査・交付決定
  • 5. 交付決定後に発注・設置
  • 6. 実績報告

くり返しになりますが、交付決定前の発注・契約は補助対象外です。2次公募の締切(7月9日)が近いため、対象設備の確認と省エネ計算は早めに着手しましょう。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 設備1台だけでも申請できますか?

A. 可能です。補助の下限は事業全体で30万円で、省エネ要件(省エネ率10%以上などのいずれか)を満たせば、1台からの更新でも申請できます。

Q2. 工事費は補助対象になりますか?

A. 枠によります。補助対象経費は原則として設備費で、トップ性能枠などで工事費が対象になる場合も、その工事費は中小企業者等のみが対象です。

Q3. 従来枠とメーカー強化枠はどちらで出すべきですか?

A. 補助率はどちらも1/3で同じですが、上限額が従来枠1億円・メーカー強化枠3億円と異なります。導入設備がGX要件を満たすメーカー製で投資額が大きいなら、メーカー強化枠が有利です。対象設備とGX要件を確認して選びましょう。

Q4. いつまでに申請すればいいですか?

A. 2次公募は2026年7月9日締切です。交付決定前の発注はできないため、締切前に申請を済ませ、交付決定を待って発注する段取りが必要です。

Q5. 新設の場合は申請できませんか?

A. 要件を満たしていれば申請が可能です。トップ性能枠は新設でも使えますが、普及製品や従来枠の指定設備と比較して、エネルギー消費効率の高いトップ性能設備を導入することが条件となります。また、新設の場合は更新と比べて補助率が1/5以内と低いことにも要注意です。

まとめ

設備単位型は、国の指定する高効率設備を1台から、比較的シンプルな手続きで更新できる省エネ補助金です。2026年度はGX枠の新設で上限が3億円、トップ性能枠では補助率1/2まで拡大し、設備投資のチャンスが広がりました。一方で、対象は指定設備が中心で、省エネ要件や交付決定前の発注禁止などの注意点もあります。2次公募の締切(7月9日)に向けて、狙う枠と対象設備を早めに固めることが採択への近道です。

当社では、省エネ補助金(設備単位型)の対象設備の確認から省エネ計算、申請書類の作成までを一貫して支援しています。自社の設備が対象になるか知りたい、どの枠で出すべきか相談したいという方は、お気軽に無料相談をご利用ください。

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それでは次回の記事もお楽しみにしていてください!